勇者ミーコの冒険 #11(2017/03/25)

なんと、ルンルンはルンタだった!

よろずやチャッピー「おまえがルンタかー!!!」



ルンルン改めルンタ「るん?!!」



ミーコ「どういうこと!?」



よチャ「ささみまんじゅうかえせー!!!」

ルンタ「ルンちゃん何のことかわからないわ!」

ミーコ「えっでもカオナシのルンタはささみまんじゅう食べれないよね! 口がないから!」

よチャ「毎日毎日まんじゅうありったけ持っていきやがってー!」

ルンタ「るん?」

ミーコ「あっちがうか! 反対側で食べるのか!」

よチャ「ぜんぶまとめてかえせー!!」

ルンタ「ルンちゃんは…」

ミーコ「あれっ? 反対側ってことは何? 前がうしろなの? うしろが前なの? アレ?」

よチャ「ミーコおまえだまってろ! 混乱する!」



ルンタ「ちょっとちょっと。ルンちゃんはそんなにおまんじゅうとったりしてないよ」

ミーコ「だまってろってなによ! チャッピーもどきのくせになまいきよ!」



よチャ「なまいきってなんだ。ムカーッ!!!」

ルンタ「せいぜい3つくらいよ。あれ?」







思わぬバトルが展開。こういうのを転嫁攻撃というらしい! つづく。
勇者ミーコの冒険 #12(2017/03/27)

ミーコとよろずやチャッピーのバトルはほどなく収束した。

ルンタ「おちついた?」



ミーコ「もとはといえばルンルンちゃんがわるいのよ! プンプン!」



よろずやチャッピー「そうだそうだ! プンプン!」



ルンタ「でもルンちゃんはそんなにわるくないよ。うらのおじいさんだっておまんじゅう食べてたわよ」

よチャ「なんですって」


   ***


うらのおじいさん「いつも3つくらいは食べてるのう。たくさんあるからいいじゃろ」



ルンタ「お孫さんもいっしょに食べてたわよね」

うらのお孫さん「うん、3つくらい食べてるかな」



ミーコ「あら、故郷のチャッピーによく似たお孫さんたちね」

よチャ「だからよくある柄なんですってば」

うらのおじいさん「むかいのおじいさんも来てたかの」


   ***


むかいのおじいさん「わしゃ3つくらい食べてるかのう。たくさんあるからいいじゃろ」



むかいのお孫さん「ぼくらも3つくらい食べてるかな」


   

むかいのおじいさん「はすむかいのおじいさんも来てたかの」

この調子で村人みんなに尋ねますか? →はい いいえ

結果は予想どおりだった! つづく。
勇者ミーコの冒険 #13(2017/03/29)

ささみまんじゅうを食べていたのは村のネコ全員だった。

よろずやチャッピー「…ぼくも寝る前にいつも3つくらい食べてたかな」



ミーコ「でもわからないわ。みんな3つくらいしか食べてないのに、なんでぜんぶなくなるのかしら」



よチャ「……」

ミーコ「どうしたの!? よろずやさん」

よチャ「ネコがネコの食べるものを売るなんて、やっぱりむぼうだったのかも…」

ミーコ「!」

よチャ「だって目の前においしそうなものがあるのに、食べないでいられるネコがいるだろうか?」

ミーコ「それはとても根源的な問いかけね! ミーコにはむずかしすぎるわ!」

よチャ「このビジネス構造は見直すべきかもしれない。でもひのきのぼうを売っていてももうからないんだ」

ミーコ「商売の世界もたいへんね! でもようやく思い出したけど、ミーコこうしてもいられないんだわ。ネギをさがさなきゃ! そうだ、よろずやさんのところではネギはあつかっていないかしら?」

よチャ「ネギですか? ネギはネコに毒だからおいていませんよ。ネジじゃだめですか?」

ミーコ「ネジ?」

よチャ「ネジです」

ミーコ「ネジ…。あれ、ちょっとまって? ネギじゃなくてネジだったかな?」

よチャ「ネジならいろんなサイズをとりそろえていますよ」

ミーコ「万能ネジってある?」

よチャ「ネジは適用対象に合わせててきせつなものをえらぶべきです」

ミーコ「ん!? その、合うとか、合わないとか、なにかピンときたわ! やっぱりネギじゃなくて、ネジって気がしてきた!」

よチャ「それはよかったです。とりあえず、ひととおりのものをご用意しましょう」

ミーコ「よろしく!」

よチャ「ハイどうぞ、ミーコさん。一式1000ニャンです!」

ミーコ「カードつかえる?」

よチャ「ネコスならつかえますよ」

ミーコ「じゃあそれで」

よチャ「まいどありー。今後もごひいきに!」

ネジを手に入れたミーコ。つづく。
勇者ミーコの冒険 #14(2017/03/31)

ミーコは旅を続けていた。

ミーコ「よろずやさん、ささみまんじゅうを3パックもサービスしてくれたわ。しんせつなネコね」



ルンタ「あらミーコちゃん、おいしそうなおまんじゅうね」



ミーコ「あっルンルンちゃん。たくさんあるからいっしょに食べよう」

ルンタ「もぐもぐ。おいしいわね。でも、夜中にコッソリ食べるささみまんじゅうはまたかくべつなのよ」

ミーコ「もぐもぐ。そうなんだ。ミーコ勇者だからそういうのちょっとわかるかも!」

ルンタ「まあ。ルンちゃん勇者とは気が合いそうよ! ミーコちゃんはこれからどこに行くの?」

ミーコ「このネジをどこかでつかうはずなんだけど、その場所をさがさないといけないの」

ルンタ「おもしろそうね。ルンちゃんヒマだからついていっていい?」

ミーコ「うん! 旅はみちづれね」

ルンタが仲間にくわわった! つづく。
勇者ミーコの冒険 #15(2017/04/03)

ミーコとルンタはおしゃべりをしながら歩いていた。

ミーコ「ねえねえルンちゃんは魔法使いでしょう? どういう魔法がつかえるの?」



ルンタ「ルンちゃん魔法なんかつかったことないよ」



ミーコ「え? でもつかってたっぽい…。げんわくのじゅつ? とか、あといわゆるラリホー? みたいなやつ」

ルンタ「つかってないよ」

ミーコ「あれー?」

ルンタ「でも旅をはじめてからじゅもんを1つおぼえたわ!」

ミーコ「えっどういうの?!」

ルンタ「るーん、っていうのよ」

ミーコ「それはどういう魔法なの!」

ルンタ「ルンちゃんがるーんっていうじゅもんをとなえると、みんながルンちゃんに注目するのよ」








ミーコ「なんだ! そんなのだったらミーコにだってできるわよ! それっ」








ルンタ「ちょっとちょっとミーコちゃん。ミーコちゃんには魔法スキルがないから魔法はムリよ。そのかわり、ルンちゃんがるーんって言ったら相手がルンちゃんに注目してスキができるから、ミーコちゃんはそこをねらって相手をたたくのよ!」

ミーコ「そっか! ミンミンたたくのは得意よ!」

ルンタ「その調子ね!」

ミーコとルンタの旅はつづく。
勇者ミーコの冒険 #16(2017/04/06)

ミーコとルンタが歩いていると、雲行きがあやしくなってきた。

ミーコ「急に風がでてきたわ!」



ルンタ「雨もふりそうね。これは今晩のしゅくはく先をはやくさがしたほうがいいかも!」



ミーコ「でもこのへんなにもないよー。こまったね」





ミーコ「あ、あんなところに小屋がある!」

独居チャッピー「誰か来てー!!!」

ミーコ「たすけをもとめているようよ。行ってみよう!」

独チャ「板が風でとばされそうです! そっちおさえてください!」

ミーコ「こう? よいしょ!」

ルンタ「がんばってー」

独チャ「セロテープでとめたのですが風がつよすぎて…。ああこんなときネジがあれば…」

ミーコ「ネジ? ネジならミーコ持ってるよ!」

独チャ「なんと! よろしければ、おゆずりいただけないだろうか」

ミーコ「いいよ! でもあとでかえしてね」


 ***


独チャ「たすかりました。台風の前にまどをほきょうしておこうと思ったのですが、あいにくネジをきらしていましてね」



ルンタ「ちょうどよかったわね」

ミーコ「ミンミンのおてがらね」

独チャ「これで今晩の雨風はしのげるでしょう!」

そして台風がとおりすぎ、夜があけた! つづく。
勇者ミーコの冒険 #17(2017/04/08)

台風一過の朝。

ルンタ「気持ちのいい朝ねー」



独居チャッピー「いやあ、ぶじ台風がぬけましたねー」



ミーコ「あれっアンタ、よくみるとあたしの故郷のチャッピーに似ているわ!」



独チャ「いやいやこんなのよくある柄ですよ。それはそうと、ミーコさんにネジをおかえししなくてはなりませんね。板をはずしましょう」

独居チャッピーは板をとりはずしはじめた。

ミーコ「…」

ミーコ「…」

ミーコ「…ネジって、どっちかって言うと、なにかをふさぐためにつかう感じよね」

独チャ「はあ、まあ」

ミーコ「ちょっとちがう気がしてきたわ。ミーコにひつようなのはむしろ、なにかを開けるためのアイテムだわ」

独チャ「開けるんですか。何を開けるんです?」

ミーコ「ええと、なんかこう、ふさがっているものを、どうにかして開ける感じ?」

独チャ「ははあ。じゃあ、バールなんてどうです?」

ミーコ「バール?」

独チャ「くっついているものをひっぺがす道具です。てこの原理をつかうんですよ」

ミーコ「ひっぺがす? それはすごく楽しそう!」

独チャ「これです」



ミーコ「まあ! これは攻撃にもつかえそうな道具ね!」

独チャ「護身用にもなりますよ。ぼくは何本か持っているんです。ひとり暮らしはぶっそうですからね」

ミーコ「そなえあればうれいなしね」

独チャ「よろしければ1本さしあげましょう」

ミーコ「やったー!!」

ルンタ「よかったわね、ミーコちゃん! そうそう、武器は持ってるだけじゃダメなのよ。ちゃんとそうびしないとね」

ミーコはバールをそうびした!

ミーコ「なんか攻撃力があがったような気がするわ!」

ルンタ「それはこころづよいわね!」

ミーコとルンタの旅はさらにつづく。
勇者ミーコの冒険 #18(2017/04/10)

ミーコとルンタは旅をつづけていた。

ミーコ「バールをもらったけど、なにをこじあけたらいいのかしら」



ルンタ「とりあえずいろいろためしてみたらいいんじゃない?」



ミーコ「でもだんだん人里はなれた場所にきたわ。押し入れる家とかみあたらないよー」

ルンタ「まあミーコちゃん。勇者はとうぞくじゃないんだから、押し入ったりしちゃダメよ」

ミーコ「えっそうなの? つまんなーい」

ルンタ「そんなことよりミーコちゃん。旅をはじめてしばらくたったから、ルンちゃんまたじゅもんを1つおぼえたわ!」

ミーコ「えっどういうの?!」

ルンタ「ふにあー、っていうのよ」

ミーコ「それはどういう魔法なの!」

ルンタ「ルンちゃんがふにあーっていうじゅもんをとなえると、みんなが脱力するのよ」





ミーコ「(フニャ〜)」

ルンタ「ちょっとちょっとミーコちゃん。あなたが脱力してどうするの」

ミーコ「あっ、つい! うん! これはきょうりょくな魔法だね!」

ルンタ「でしょー? それでね、ルンちゃんがふにあーって言ったら相手が脱力してスキができるから、ミーコちゃんはそこをねらって相手をたたくのよ!」

ミーコ「まかせて。ミンミンたたくのは得意よ!」

ルンタ「その調子ね!」

ミーコとルンタの旅はつづく。
勇者ミーコの冒険 #19(2017/04/13)

ミーコとルンタが歩いていると、川に行き当たった。

ミーコ「この川をこえたいんだけど…」



ルンタ「泳いでわたるのはむりそうね。だってわたしたち泳げないもの」



ミーコ「うーんどうしよう」

ルンタ「あっ、あっちにあるのは橋じゃない?」

ミーコ「ほんとだ。やったー!」





ミーコ「このは…し わ…たる べ…か…らず?」

ルンタ「この橋わたるべからず、ね」

ミーコ「べからずってなに?」

ルンタ「わたるな、っていう意味よ」

ミーコ「えっなにそれ! ミーコにめいれいするとか、なまいきな立て札ね!」

ルンタ「でもルンちゃんこれしってるわ。本でよんだもの。はしじゃなくて、まんなかをわたればいいのよ」

ミーコ「えっじゃあ結局わたっていいの?」

ルンタ「そうよ! 行きましょう」

ミーコとルンタは橋をわたりはじめた。すると!

チャララララララララ〜♪

ミーコ「!」

ルンタ「!」

モンスターがあらわれた!



どうするミーコ! どうするルンタ! つづく。
勇者ミーコの冒険 #20(2017/04/15)

橋をわたるミーコとルンタの前にあらわれたモンスター。



ミーコ「えっなにこれ!」



ルンタ「まものよ! まもの!」



ミーコ「キャー! どうしよう!」

ルンタ「どうしよう!」

ミーコ「ルンちゃん! あれやって! なんか、じゅもん!」

ルンタ「えーっそんな急にとなえられないわ! なんだっけ!」

ミーコ「はやくー!!」

ルンタ「ミーコちゃんがあいつをたたいてよ!」

ミーコ「あんな変なものたたけないよ!」



ルンタ「あっ、こっち来た!」

ミーコ「キャー!!!」

ルンタ「キャー!!!」

モンスターから逃げるミーコとルンタ。つづく。


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