勇者ミーコの冒険 #1(2017/02/21)

マーボ王はネコたちを集めて言いました。



マーボ王「わしも近ごろめっきりとしをとった。そろそろ後継者をえらびたいと思う」

マーボ王「後継者となるものは、この世界をひろく旅して、ちけんをやしない、王としてのししつをしょうめいせねばならん。長くこんなんな旅になるであろう」

マーボ王「よほどのものでないとつとまらん。この中にわれこそはと思うつわものはおるか!」



ミーコ「ハイ、それはあたしです! ミンミンがいちばんつよくてエライです!!」



マーボ王「おおミーコよ、よくぞなのりでた! いまこのときより、そなたに勇者の称号をあたえよう」

ミーコ「やったー!!」

マーボ王「勇者ミーコよ、おまえはこの村をでて旅をし、この世界のどこかにある万能カギをさがしださねばならん。そして魔界のとびらをひらき、とらわれのリーナ姫をすくうのだ!」

ミーコ「ちょっと! さっきと話がちがくない? リーナ姫って何!? お姫さまはミーコだけでじゅうぶんよ!」

マーボ王「ミーコよ、しめいを果たしたあかつきには、この、ちゅーる徳用大袋、まとめ買いでさらにお得な2袋セットを、ほうびとしてとらせるぞよ」

ミーコ「のった!!!」

マーボ王「ではミーコ、たのんだぞ」

ミーコ「ハイ、ミーコにまかせてください! まかいだろうが二階だろうがミンミンに行けないところなんてありません!」

勇者ミーコの冒険がはじまった。つづく。
勇者ミーコの冒険 #2(2017/02/24)

ミーコが歩いていくと、村があった。

村人チャッピー「こんにちは。ここは勇者がたちよる最初の村だよ」



ミーコ「あらアンタ、あたしの故郷のチャッピーによく似ているわね」



村チャ「いやいやこんなのよくある柄ですよ。それはそうと、あなたは勇者志望のネコですか? ここでは勇者志望のみなさんにレクチャーをしているよ」

ミーコ「えっ!? 勇者ってミーコだけじゃないの? なにか心外だわ!」

村チャ「さいきんでは勇者も職業みたいなものですよ。でも勇者にもつよい勇者と、そうでもない勇者がいますからね」

ミーコ「ミーコはつよい勇者になるわよ」

村チャ「ではがんばりましょう。まずはミーコさん、これをみてください」



村チャ「こういうところに、いいものがかくされているのです」

ミーコ「そうよね! あたしもつねづねそう思っていたわ!」

村チャ「勇者は入手かのうなあらゆるアイテムをゲットし、そうびをぞうきょうしなくてはなりません」

ミーコ「ミンミンこういうの得意よ!」





村チャ「ミーコさんは勇者のそしつがありますね。では次。これをみてください」



村チャ「姑息にもフタがされていますが、こういうところにも、いいものがかくされているのです」

ミーコ「そうよね! あたしもかねてからそうにらんでいたわ!」

村チャ「このフタをどうにかしなければなりませんが…」

ミーコ「ミンミンにかかればこんなのイチコロよ!」





村チャ「これはおそれいりました。もうミーコさんにおしえることはなさそうだ」

ミーコ「ミンミンはやっぱり根っからの勇者ね」

村チャ「これが修了証書がわりのヘアバンドです」



ミーコ「わあ、ミーコに似合いそうね!」

村チャ「ではごぶうんをおいのりしております」

ミーコ「ハーイ。バイバーイ!」

勇者ミーコの冒険はつづく。
勇者ミーコの冒険 #3(2017/03/01)

ミーコが歩いていると、道をふさいでいるネコがいた。

とうぞくチャッピー「ここはプーのなわばりだよ。おまえなんかとおしてやらないよ」



ミーコ「あらっ、故郷のチャッピーによく似たネコがでてきたわ」



とチャ「どうしてもとおりたいんなら、通行料をもらうよ」

ミーコ「チャッピーもどきがこしゃくなことを言ってるわ」

とチャ「通行料をはらったら、とおってもいいよ」

ミーコ「ミーコに許可するとか、なまいきだわ」

とチャ「はやく通行料をはらってよ」

ミーコ「なんか言ってるわ」

とチャ「通行料は3000ニャンだよ」

ミーコ「どうも態度が気に食わないわ」

とチャ「1000ニャンでいいよ」

ミーコ「チャッピーもどきのくせになまいきね」

とチャ「じゃあ500ニャン」

ミーコ「だんだんムカついてきたわ」

とチャ「おおまけにまけて100ニャンでいいよ」

ミーコ「これでもくらえ!!」







テロロン♪ とうぞくチャッピーをやっつけた! つづく。
勇者ミーコの冒険 #4(2017/03/03)

ミーコはとうぞくチャッピーに勝利した。

とうぞくチャッピー「すいません、3時間前からなにも食べてなくてつい…」



ミーコ「ミーコにからむなんて100年はやいのよ」



とチャ「すいませんもうしません」

ミーコ「そうだ! 仮にもとうぞくなら、なにか闇のじょうほうを持っているはずだわ! ええと、さがさなきゃいけないものがあったんだけど…」

とチャ「なんでしょう」

ミーコ「たしか万能ネギとか」

とチャ「万能ネギ?」

ミーコ「うん。そんな感じ」

とチャ「ミーコさん、ネギはネコに毒ですよ」

ミーコ「でも、まかいに行くのにひつようなのよ」

とチャ「うーん、そうですか。ええと、ネギなら、ふかやという土地がゆうめいですが…」

ミーコ「ふかや? それはどこにあるの?」

とチャ「この平野をどこまでも歩いていくとたどりつきます」

ミーコ「冒険としては盛り上がりに欠けるわね。でもまあいいか」

とチャ「ごぶうんをおいのりしております」

ミーコ「ハーイ。バイバーイ!」

勇者ミーコの冒険はつづく。
勇者ミーコの冒険 #5(2017/03/06)

ミーコはわくわくしながら歩いていた。

ミーコ「このマップによると次の村ではささみまんじゅうがめいぶつのようよ」


 
ミーコ「おなかもすいてきたし、とても楽しみだわ!」

よろずやチャッピー「いらっしゃいませ。ここにはいろんなものがそろっているよ」



ミーコ「あらアンタ、あたしの故郷のチャッピーによく似ているわね」



よチャ「いやいやこんなのよくある柄ですよ。それはそうとお客さん、なにをおもとめですか?」

ミーコ「ささみまんじゅう! ここのめいぶつよね」

よチャ「あー…」

ミーコ「どうしたの?」

よチャ「それは品切れです…」

ミーコ「なんですって! どういうことなの」

よチャ「じつは、ルンタというわるい魔法使いが夜な夜なやってきて、翌日店頭にならべるぶんのささみまんじゅうをすべてうばっていってしまうのです」

ミーコ「まあ!」

よチャ「わたしも夜じゅう、そばで番をしているのですが…」



よチャ「気がつくとぜんぶなくなっているのです」

ミーコ「なんてこと!」

よチャ「ところでお客さん、そのヘアバンドはもしかして…」

ミーコ「そうよ! 勇者ミーコとはあたしのことよ」



よチャ「そうですか! よかった、ミーコさん、おねがいです。魔法使いルンタをたいじしてもらえませんか? このままでは商売あがったりです」

ミーコ「魔法使いだろうがなんだろうが、ミンミンにかかればイチコロよ! 今夜さっそくまちぶせね」



ミーコ「気がついたらささみまんじゅうがぜんぶなくなっているわ!」

よチャ「やられましたね」

ミーコ「ぜんぜん気づかなかったわ。ルンタ、おそろしい魔法をつかうのね…」

よチャ「いつもこうなんです」

ミーコ「よし、こうなったら、あたしがルンタのほんきょ地にのりこむわ」

よチャ「おねがいできますか! ルンタはものみ山のちかくにすんでいるそうです」

ミーコ「ミーコにまかせて! そして必ずささみまんじゅうをゲットするわ!」

ミーコとルンタの対決がせまる。ていうか考えてみたらミーコ、ささみまんじゅう食べる機会あったよね。
勇者ミーコの冒険 #6(2017/03/10)

ミーコはものみ山をめざしていた。

ミーコ「あら、あそこであそんでるネコがいるわ。ルンタのことをきいてみよう」



ミーコ「もしもし、このへんに魔法使いルンタっていう悪いヤツがすんでるってきいたんだけど」



ルンルン「さあ、しらないわ。わたしはルンルンよ」



ミーコ「はじめましてルンルン。あたしは勇者ミーコよ。ものみ山に行く道をしりたいんだけど」

ルンルン「そんなことよりミーコちゃん。これをみてごらんなさい」



ルンルン「これをこうやってつつくでしょ? そうするとコロコロって転がるでしょう!」

ミーコ「わあっ、ホントだ。おもしろい!」





ミーコ「ああおもしろかった。ルンルンちゃん、またあそぼうね」

ルンルン「そうねミーコちゃん。じゃあまたね」

ミーコ「バイバーイ!」


ミーコ「…」


ミーコ「なんかわすれている気がするわ。でもまあいいか。つかれたからもう寝ようっと」

つづく。
勇者ミーコの冒険 #7(2017/03/13)

ミーコは目をさました。

ミーコ「ひとばん寝たら思い出したわ! ささみまんじゅう! 魔法使いルンタ!」



ミーコ「あ、ルンルンちゃんがあそこであそんでる。もういちどきいてみよう」



ミーコ「ルンルンちゃん。ものみ山にはどうやって行ったらいいのかしら」

ルンルン「そんなことよりミーコちゃん。これをみてごらんなさい」



ルンルン「これをこうやってひっぱって離すでしょ? そうするとピヨンピヨンってゆれるでしょう!」

ミーコ「わあっ、ホントだ。おもしろい!」





ミーコ「ああおもしろかった。ルンルンちゃん、またあそぼうね」

ルンルン「そうねミーコちゃん。じゃあまたね」

ミーコ「バイバーイ!」


ミーコ「…」


ミーコ「なんかわすれている気がするわ。でもまあいいか。つかれたからもう寝ようっと」

つづく。
勇者ミーコの冒険 #8(2017/03/17)

ミーコは目をさました。

ミーコ「あっ思い出したわ! ささみまんじゅう! 魔法使いルンタ!」



ミーコ「ルンルンちゃん、またあそこであそんでるわ。今度こそちゃんときかなくちゃ」



ミーコ「ルンルンちゃん。ものみ山は…」

ルンルン「そんなことよりミーコちゃん。これをみてごらんなさい」



ルンルン「ここをこうやってのぼっていけるのよ。高いところはみはらしがよくて気分がいいわよ」

ミーコ「わあっ、楽しそう! ミーコものぼるよ!」





ミーコ「ああおもしろかった。ルンルンちゃん、またあそぼうね」

ルンルン「そうねミーコちゃん。じゃあまたね」

ミーコ「バイバーイ!」


ミーコ「…」


ミーコ「なにか変ね。でもまあいいか。つかれたからもう寝ようっと」

つづく。
勇者ミーコの冒険 #9(2017/03/21)

ミーコは目をさました。

ミーコ「あっまたしても! でもなんか変ね」



よろずやチャッピー「ミーコさんおはようございます」



ミーコ「あらっ、よろずやさんどうしたの?」

よチャ「なかなか帰ってこないので心配でみにきたんですよ。言い忘れてたけど、ルンタは幻惑のじゅつをつかうんです」

ミーコ「げんわく?」

よチャ「これまでも何匹か、腕におぼえのあるネコが山にむかったんですが、誰1匹ルンタをとらえることができなかったんです」

ミーコ「まあ」

よチャ「でも最近ついに、ある1匹がルンタの写真をとることに成功しましてね。これがその写真です」



ミーコ「これは!」

よチャ「魔法使いルンタ、別名カオナシのルンタとよばれています」

ミーコ「これでどうやってささみまんじゅうを食べるのかしら」

よチャ「さあ」

ミーコ「でもこれはゆうりょくな手がかりね! ルンルンちゃんにきいてみよう」

よチャ「ルンルンちゃん?」

ミーコ「このむこうにすんでいるネコよ」

よチャ「ふうん」

ミーコとよろずやチャッピーはルンルンのもとへとむかった。つづく。
勇者ミーコの冒険 #10(2017/03/23)

ルンルンのもとにむかうミーコとよろずやチャッピー。



ミーコ「あっ、いたいた。ねえねえルンルンちゃん、このネコしってる?」



ルンルン「どれどれ? ううん、みたことないわ。変なネコね」



ミーコ「ルンルンちゃんもしらないのか…」



ルンルン「そんなことよりミーコちゃん。いい昼寝スポットをはっけんしたのよ。案内してあげるわ」



よろずやチャッピー「おまえがルンタかー!!!」



ルンルン「るん?!!」

ルンルンはルンタだった?! つづく。


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