猫歴Phase 2・・・うちに来た猫たちの歴史

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マーボ王朝の安寧

2017年秋マーボ王を中心とする猫たちの社会は一定の秩序を保って安定を見せている。老齢のマーボはときに、風呂桶から出られなくなったりしながらも、のったりと余生を満喫している。


チャッピーも、マーボに合わせておじいさんライフを楽しんでいる。まだ若いんだから女の子たちと遊べばいいじゃないか、と思わないでもないのだけれど、マーボとチャッピーが仲よくお昼寝している様子を見たりすると、幸せな気分になる。まあこれもよかろうと思う。

ミーコはずいぶんと大きくなった。チャッピーがずいぶんと小さく見える。

ミーコはよく口をあけて寝ている。安心度100%の完璧なやすらぎ態勢。フガーフガーと音を立てながら寝ていることが多い。どこか悪いんだろうかと心配になるけれど、本人はいたって気持がよさそうだ。

ミーコは人間にかわいがられるのが大好きだ。他の猫をかわいがっていると、「なによ、ミーコをかわいがってよ」と言いながら割り込んでくる。ルナあたりは、もしかしたら辟易しているのかもしれない。

ルナも元気に育ってきた。他の猫たちとの接触をそれとなく避けつつ、マイペースで暮らしている。上下方向の運動が好きなルナは、よじ登ったり、飛び跳ねたりしている。


ルナも、人間にかわいがられるのが嫌いなわけではない。むしろ好きなんだと思う。ミーコに邪魔されないように注意しながら、かわいがられにやってくる。

そんなわけで、マーボ王、チャッピー王子、ミーコ姫(え、姫なんだっけ?)、そしてさすらいの踊り子ルナで構成されるマーボ王朝は今日も平和だ。

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さよならミーコちゃん

2017/12月下旬
ルナが鼻水を垂らしていた。風邪をひいたらしい。その次の日、ルナは丸一日、余計なことを何もせずに寝て過ごした。その甲斐あってか、自力ですっかり回復した。動き回り、エサをちゃんと食べ、甘えにくるいつものルナに戻った。

2017/12/25
高齢のマーボも、まだまだ若いチャッピーも、幼いミーコも、みんな風邪をひいた。ルナからうつされたのだと思う。鼻づまりで苦しげ。それでも、ルナの素早い回復を見たあとだったので、こいつらも明日にはよくなるだろうと楽観していた。

チャッピーはさほどでもないが、マーボはかなりだるそう(12月25日)

夜遅くになってミーコが何度か吐いた。胃の中に食べ物は入っていないので、吐いたのは泡状の液体。これはまずいかもと思い、夜間診察をしてくれる救急病院に電話で予約。ところが予約してしばらくすると、ミーコの呼吸が落ちついて、いくぶん、ラクになったように見える。車で小一時間かかる救急病院を往復するのはかえってリスキーかも。一晩様子をみて、翌日、かかりつけの先生に診てもらうほうがいい。そう判断した。

2017/12/26
妻の声で目を覚ます。まだ真っ暗な午前5時。「ミーコが死んじゃった」。

このとき受けた心理的な衝撃と、それにともなって起きた自分の挙動について客観的にとらえることは、4ヵ月ほど経った今でもまだできない。

お昼ごろ、マーボとチャッピーを病院につれていく。マーボは低体温で、かなり危ない状態。注射3本+補液。しかし、もう老齢なので回復することはないだろう。住み慣れた自分の家で看取ってやることにする。チャッピーはなんとしても回復させてやらなければならない。やはり注射3本。ご飯が食べられるようなら、翌日薬をもらいにいく。

2017/12/27
前の晩、チャッピーは缶詰をちゃんと1食分食べた。なので薬をもらいに動物病院へ。3日ぶんの抗生剤をもらう。その晩、缶詰に混ぜて投薬を試みるものの、違和感があるらしく食べてもらえなかった。そこで寝しなに、シリンジ作戦を敢行。少なめの水に粉薬を混ぜ、シリンジで口の中に少しずつ押し込む。なんとか服用させられた。

2017/12/28
午前中に、ミーコを火葬する。体は冷たいのに、ゴージャスな毛皮はつやつやとしていて美しい。縞の入った太い立派な尻尾はまだフワフワで、いまにもゆらゆらと動き出しそう。読経が響くなか、ふと思い出がよみがえり泣けてきた。ミーコと暮らしてきたのは1年と数ヵ月でしかないのに、ずいぶんと広い領域を、ボクの心の中で占めていたらしい。

12月18日のミーコ。このクッションの上がお気に入りだった。

お昼過ぎに帰宅。午後、さやま猫の会さんから素適なお花が届く。ミーコにはもったいないような、豪華なフラワーアレンジメント。その横に、ミーコのお骨を安置する。お骨は、ユズのときと同じ赤い袋にくるまれている。暖かくなったら庭に埋めて土にかえす。

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さらば、マーボ王

2017/12/28
ミーコの火葬から帰ってきたとき、マーボはいつもの座布団の上で横になっていた。しばらくするとボクの部屋によたよたとやってきて、太陽の光が差し込む窓際に横たわる。暖かい場所が比較的過ごしやすいのかもしれない。

お日様を浴びるマーボ(12月28日)

チャッピーはまだ鼻が詰まっていて、ときどきくしゃみをする。たぶん、熱もあるのだろう。今日はまだちゅーるしか口にしていない。夜、缶詰が食べられるといいのだけれど。

2017/12/29
28日の夕方以降、マーボはもう、自力で移動できなくなっていた。座布団に横たわって、一定のリズムで呼吸を続ける。ときどき、立ち上がろうとするが立ちあがることはできない。何かをつかみ取ろうとするかのように前脚を動かすこともある。

これはいよいよだなと考えた我々は、マーボのすぐ近くに布団を敷いて、そこで寝ることにした。妻はときどき目を覚ましていたようだけど、ボクはまずまず深く眠り、朝6時ごろに目を覚ました。まだがんばってるよ、と妻が言う。昨日の晩と同じような状態に見える。

チャッピーの具合は少しずつよくなっているように思うのだけど、固形物を食べてくれない。目先を変えて別の食べ物を与えてみようと思い立つ。マーボのことは妻に任せて、自転車でスーパーへ。そして帰ってきた10時過ぎ、マーボはすでに息を引き取っていた。ボクが出てすぐのことだったらしい。妻がマーボの手を握ってやっているなか、最後の呼吸を終えたとのこと。 「お、あいつ出かけたみたいだな、あの泣き虫がいないあいだにオレも行くかな、じゃあな、waka-y」、こんなセリフを残して旅立ったのだと、ボクは勝手に思っている。

マーボの命が長くないであろうことは、引きつけを起こした2年前から感づいていた。便秘を先生に出してもらったときなんかも、体重が5キロくらいになっていた。全盛期には7キロあったマーボの身体はこの2年で徐々に痩せていき、死の3日前は3.5キロしかなかった。ボクたちは2年の時間をかけて、マーボの死に対する覚悟を徐々に固めていった──そんなつもりだったが、固まるものではないことを思い知らされた。

2017/12/31
マーボを火葬する。ほんの3日前にミーコを連れてきた斎場は、周りの木々によって風がさえぎられ、今日も温かい雰囲気に包まれている。祭壇の上に横たえられたマーボは生前よりも一層その白さを増して、なんだか神々しいように見える。「これは聖獣マーボだ」と、冗談だかそうでないのかよく分からない会話を妻と交わす。

マーボのお骨を持って家に帰ると、動物病院の院長先生からお花が届いた。そして、ミーコとマーボの祭壇をしつらえた。マーボのお骨は猫用の壺に収まらなかったので、ひとまわり大きい。

2018年春
暖かくなった頃合いをみはからって、ミーコとマーボのお骨を庭に埋めた。2015年秋にこの世を去ったユズのお墓の横に新たな穴を掘り、一緒に埋めてやった。そして、お墓の前に花を植えた。

ユズ:2015年10月没、11歳10カ月
ミーコ:2017年12月没、1歳5ヵ月
マーボ:2017年12月没、14歳

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チャッピー復活

ミーコとマーボを一気に失い、悲しい気持ちから逃れられない。しかし、現実的な問題に対処して生きていかなければならない。

マーボが旅立った12月29日、夜、チャッピーに抗生剤を飲ませる。前回は粉末だったが、飲ませにくいので今回からは錠剤にしてもらう。waka-yに後方から保定してもらい、ボクが前方から口をこじあけ、舌の奥に錠剤を置き、素早く口を閉じさせる。

そのあと、ためしに、前日に買ってきた別の種類のカリカリを与えてみる。昔チャッピーが好きだったモンプチピュリナ。すると、大好きだった(と思われる)缶詰すら拒絶していたチャッピーが、自分から食べ出した。

ここ数日、辛いことばかりが起きていたが、チャッピーがちゃんと食べたことは嬉しい出来事。ミーコ、マーボに続いてチャッピーまで死んじゃったらどうしよう。この不安が取り除かれて、気持ちがかなり軽くなったと思う。少なくとも、チャッピーが食べている様子を見ているあいだは、悲しみを忘れていられた。

残されたチャッピーとルナ。1月3日の様子。どちらもいまや通常モード

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ココ・ノンを預かる

2018年1月、連日、寒い日が続く。26日の鳩山町の最低気温は氷点下10度。冬季オリンピックを開催できそうな気温だ。

1月22日には雪まで降った

そんな折、さやま猫の会さんが11匹の猫たちを急遽保護したことを知る。多頭飼育されていた猫たちがまとめて捨てられたのだろうとのこと。里親さん、あるいは預かりさんが現れなければ、この猫たちは不妊手術後にリリースされるだろう。この寒い埼玉の屋外に。

ミーコとマーボを失って約1ヵ月。チャッピー&ルナの2匹態勢に、人間ズも猫ズもなじみつつある。チャッピー&ルナはどちらも手がかからないし、どちらもあまりいたずらをしない。なんだか静かな家になった。内心、もの足りないような気もする。とはいえ、新たに猫を迎え入れようとは、まったく思っていなかった。

やっぱり、家の中がいちばんね

2018年1月28日、まとめて捨てられた猫たちの行く末が気になったので、さやま猫の会さんの譲渡会にお邪魔する。捨てられ猫ズの何匹かは、行き先が見つかったらしい。しかし、何匹かはリリースしなければならないとのこと。

この寒空のもとにリリースされるのはあまりにもしのびないので、急遽、2匹の猫を預かることにした。不妊手術の翌1月30日、さやま猫Sさんに連れられて彼女たちはやってきた。

1匹は、だれがどう見てもラブリーな顔つきの、茶トラのノンノ。茶トラなのに女の子。

もう1匹は、クルリンとした目が愛らしい、サビ猫のココ。サビ猫なので女の子。キリっとした風情と間抜けな風情とが融合した、味のある猫。

捨てられた11匹の猫たちは、すべて行き先が見つかったそうです。1匹もリリースされることがなくてよかった。詳しくは、さやま猫さんのブログ記事をご参照ください。

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ココ・ノン、うちの猫になる

ココノンノを預かって1ヵ月ほどが経ったころ、2匹は感染症の検査を受けた。どちらも、白血病キャリアでないことが判明した。それまでは、先住猫のチャッピー&ルナとは別の部屋に隔離していたが、もう、一緒にしても大丈夫だ。というわけで、2018年3月6日、ココとノンノは、正式にうちの猫となった。

え、きみら、預かっていたんじゃないのか?
ええ、そうなんですけど、面倒を見ているうちにほだされまして。。。

ココと、特にノンノは、人間に対する不信感はあるようだが、猫に対してはフレンドリーだ。先住猫たちも、この1ヵ月ほどのあいだで新参者たちに慣れてきていた。

仲よく並んでごはんを食べる

ココ・ノンも本棚に上がることを覚えた

猫庭でくつろぐことも覚えた

クッションでくつろぐことも覚えた

こんな感じで、マーボとミーコがいたころとはまた違った猫社会が形成されつつあります。マーボを中心とした猫社会のことを我々は「マーボ王朝」と呼んでいますが、チャッピーを軸とする現在は、「チャッピーデモクラシー」の時代です。

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コムギ現る

2018年3月15日、哀れな姿の猫がうちの玄関先でナウ~ンナウ~ンと鳴いていた。

ただでさえ小さな体は、これ以上痩せようがないというほどに痩せている。目やにと鼻水で顔はぐずぐず。長毛に覆われた全身には、コセンダグサの種がへばりついている。しかし鳴き声は力強いし、足取りも、こんな状態にしてはしっかりしている。酷い状態ではあるけれど、生命力の強さが感じられる。

我々夫婦は猫を保護しに出かけることはない。しかし、保護されに来た猫を保護しないわけにもいかない。幸い、ココとノンノを隔離するために用意した仕切りがあるので、うち猫たちと接触しないようにこの猫の面倒を見ることはできるだろう。というわけで、保護することにする。

飼い主さんが現れることを期待しつつ、この猫の回復を目指す。「飼い主さん、いませんか~」と尋ねるボクのツイートを見たさやま猫Sさんが、手助けするために駆けつけてくれた。我々だけでは心もとないが、衰弱した猫をこれまでに何匹も救ってきたSさんの助言があれば心強い。

【迷い猫を保護しています】
坂戸・毛呂山近辺で、この猫を探している方、いませんか~?

3月15日、午後、うちの玄関先でウナ~ウナ~と鳴いていた。たぶんオス。長毛。生後半年とかの仔猫じゃないかな。人慣ればっちり。たぶん、元飼い猫。脱走したのか、捨てられたのか? (つづく) pic.twitter.com/ovzerhJgwg

— nyangle (@nyangle) 2018年3月15日

呼び名がないと不便なので、この猫をコムギと呼ぶことにした。「コムコム」「ムギムギ」と呼ぶこともある。

食欲旺盛なコムギは日に日に回復していく。苦い薬が混ざっているエサも気にせず食べてくれるのでありがたい。人慣れしていて、目やにを拭いてやったりするときも大人しい。

3月18日(保護から4日目)。だいぶ目がぱっちりしてきた。

3月22日(保護から1週間)。最初1360gだった体重は、このころ1920g。

4月6日、なんだか生意気な顔になってきたぞw
(ちなみに、尻尾の毛は、汚れないようにと獣医さんが刈ってくれた。)

4月7日、本来の優雅さを取り戻しつつある?

2018年4月13日、保護から約1ヵ月が経った。動物病院でウイルス検査を受ける。猫エイズ、猫白血病ともに陰性だった。これまでは、うち猫たちと接しないよう、隔離して面倒をみていたが、一緒にしても大丈夫だろう。これから徐々に慣らしていこうかと思っている。

4月13日(保護から約1ヵ月)、体重は2600g。1ヵ月でほぼ倍増!
小ぶりな体格から考えると、適正体重の範囲に入っていると言えるかもしれない。

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2018/04/14 Nyangle
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